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紅い狐は森に戻ってきました。
その日から、空はどんよりと曇ってきて、森中も白い濃霧に包まれました。それは、ドラと呼ばれる大きな猛獣が森の上を旋回しているためです。
ドラは約束通りにその凄い力で狼を追い払い、狼の群れはあっという間に森からほとんど姿を消しました。森の狐たちは、ようやく平和を迎えました。
しかし、狼は完全に消えたわけではなく、もっと狡くなりました。残された狼が仕返しの機会をうかがっていました。ドラは紅い狐がいる場所しか現れないため、紅い狐はドラと共に忙しく森の中を駆け回り、ほかの狐たちからますます遠ざかっていきました。
紅い狐は時にドラに頼らず自分で狼を追い払うこともありました。ドラが傍にいることで、紅い狐は勇敢で自信を持つようになり、自分が強くなったと感じていました。
「そうすれば、みんなはもう私のことを役立たずとは呼ばないでしょう」
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